
薬剤師として働いていると、日々さまざまな診療科の医師と接する機会があります。そんな中で、診療科ごとに医師の性格や仕事のスタイルには特徴があるなと感じることが多々あります。もちろん、個人差はありますが、やはり診療科ごとの傾向は存在するものです。今回は、薬剤師目線で診療科別の医師の性格や印象の良し悪しを語ってみたいと思います。
1. 内科医
性格の傾向:
内科の医師は全体的に穏やかで、患者さんにじっくり向き合うタイプが多いです。特に総合内科や一般内科の医師は、幅広い疾患に対応するため、慎重で論理的な思考を持つ傾向があります。また、長期的に患者さんを診ることが多いので、コミュニケーション能力も高い人が多い印象です。
薬剤師から見た印象:
良い点
✅ じっくり話を聞いてくれるので、薬の相互作用や処方変更の相談がしやすい。
✅ 患者さん第一で考えている医師が多い。
✅ 処方の意図が明確で、薬剤師としても指示が理解しやすい。
悪い点
❌ 処方が保守的になりがちで、新薬の導入に慎重すぎる場合がある。
❌ 多くの患者を抱えているため、緊急時の対応が遅れがちになることも。
2. 外科医
性格の傾向:
外科医は全体的に決断力があり、短時間で物事を判断する能力に長けています。手術の現場では一瞬の判断ミスが命取りになるため、サバサバしていて合理的な人が多い印象です。
薬剤師から見た印象:
良い点
✅ 迷いがなく決断が早いので、処方の変更などがスムーズ。
✅ ある程度の薬剤知識も持っている人が多く、説明が的確。
✅ コミュニケーションがシンプルでわかりやすい。
悪い点
❌ 時間に追われていることが多く、細かい薬の調整には無関心なことも。
❌ 「とりあえず出しておいて」という雑な処方があることも。
❌ せっかちな性格の医師が多く、薬剤師の話をじっくり聞いてくれない場合も。
3. 小児科医
性格の傾向:
小児科の医師は子ども相手のため、優しく親しみやすい性格の人が多いです。ただし、保護者の対応が必要なため、忍耐力や説明力が求められる職種でもあります。
薬剤師から見た印象:
良い点
✅ 子どもや保護者への説明が丁寧で、薬剤師ともコミュニケーションが取りやすい。
✅ 副作用に敏感で、慎重に薬を選ぶ姿勢が見られる。
✅ 柔軟な対応ができる医師が多い。
悪い点
❌ 保護者対応に追われていて、薬剤師との連携が後回しになりがち。
❌ 風邪薬の処方が多く、同じような処方が続くことがある。
❌ 服薬コンプライアンスの難しさ(子どもが薬を飲めない)があるため、処方変更が頻繁に発生しやすい。
4. 精神科医
性格の傾向:
精神科の医師は患者の話をしっかり聞くスタイルのため、落ち着いた雰囲気の人が多いです。冷静で柔軟な考えを持っている人が多く、患者さん一人ひとりに合った治療を考える傾向があります。
薬剤師から見た印象:
良い点
✅ 患者さんに寄り添う姿勢が強く、処方の意図が明確。
✅ 薬の効果や副作用について、しっかりとした知識を持っている。
✅ 説明が論理的でわかりやすい。
悪い点
❌ 向精神薬の処方が多く、依存リスクや副作用の調整が難しいことがある。
❌ 処方変更が頻繁に発生しやすく、薬剤師としての負担が大きいことも。
❌ 患者さんの精神状態によっては、薬の管理が複雑になる。
5. 救急医
性格の傾向:
救急医はとにかくスピード重視。判断力と行動力が求められるため、短気でストレートな性格の人が多い印象です。
薬剤師から見た印象:
良い点
✅ 判断が早く、薬の処方に迷いがない。
✅ 緊急対応が得意で、薬の選択においても的確な判断をする。
✅ 一度信頼を得ると、スムーズな連携が取れる。
悪い点
❌ とにかく忙しいため、薬剤師とじっくり話す時間がほぼない。
❌ 「とりあえず必要だから出す」という処方が多く、後で変更になることがある。
❌ 緊急時には処方ミスが発生しやすく、チェックが大変。
まとめ
こうして見ると、診療科ごとに医師の性格や仕事のスタイルには明確な違いがあることがわかります。薬剤師としては、どの科の医師とも円滑なコミュニケーションを取ることが求められますが、それぞれの特徴を理解しておくと、よりスムーズに連携が取れるようになります。
もちろん、ここで述べた特徴はあくまで一般的な傾向であり、個々の医師によって違いはあります。しかし、薬剤師として働いていると「やっぱりこの科の先生はこういうタイプが多いな」と感じることは確かです。お互いの役割を理解しながら、より良い医療を提供できるよう心がけていきたいですね。